Category Archives: ピアノ

ブラレイさん

音楽的な催し物が、たっくさんあるこのシーズン
コンサートを聴きに行ったり、自分も弾かせていただいたり。
たくさんの刺激を受けております

マスタークラスも何度か聴くチャンスがありました。

11月にはフランス人のピアニスト、フランク・ブラレイ氏のマスタークラスがありました。
今回は幸運にも、私の生徒さんもレッスンして頂く事となり、
本当にうれしく思いました。

まず、そのフレンドリーなお人柄に魅了されました。

私がフランスでレッスンを受けた、ブルーノリグット先生とちょっと似てる
教え方だったので、なんだか懐かしかった・・・

型にとらわれず、音を追求していかれるブラレイ先生の姿勢に、とても感銘を受けました。

留学したての頃リグット先生に、バッハにも「もっとfantaisie!」と要求されて、びっくり戸惑いながらも、
自由に音楽を歌える喜びを、身をもって知ることが出来たきっかけになった事があります。

それをふっと思い出しました。
きっと今回レッスンを受けられた方は、そんな気持ちになれた事と思います。

私にも、忘れてはいけない事を思い出させてくれた
大事な一日になりました。

もう10月!

早いもので、もう10月も下旬。

あっという間に今年一年があと2ヶ月で終わろうとしている。
早すぎ・・。

今日はパスカル・ドヴァイヨン先生の公開レッスンを聴きに行った。
とても丁寧なレッスンだった。
ニュアンスのつけ方も、その場のひらめきなどではなく、
楽譜に沿って、でもそれだけでなく、楽譜の奥に潜んでいる大きな流れを知的に汲み取り
創造しながらつけていて、洞察力の深さに感動!

アナリーゼとかそういうことではなく、ピアニスティックに考察していく。
すごいよい一日だった。

そういえば、私のフランス語、まだ忘れてなかった。安心。
帰国したての頃、母に「フランス語で寝言を言ってたわよ」と言われたけど、それでもやっぱり
忘れてしまうのかなぁと心配になる。。(寝言は、たまたまだったと思うけど。寝言なんて絶対言ってないと自分では思っているので・・)

さぁ年が明けたら、(気が早い?)私の生徒さんたちの発表会。
きっとあっという間だろうな。がんばっていきましょう。

おめでとう!

ピティナ全国大会受賞パーティーにて

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だいぶ時間が経ったシリーズ第何弾でしょうか・・
ごめんなさい。

昨年のピティナ・ピアノコンペティションにおいて、私の生徒さんの
菜々ちゃん(8歳)が全国大会で銅賞を頂きました。

彼女が4歳になった時、「ピアノを教えてください。」と、ちょこんとお辞儀をして
言いに来た日の事を昨日のように思い出します。

レッスンで「この音を、こうしてみて」と私の言った事に対しても、「何か楽しそうだぞ」と、わくわく感じるような、彼女の明るく好奇心旺盛な性格が、才能を伸ばし、想像を絶する練習量にも耐えて、予選から数えて応募者一万人の中から勝ち抜くことが出来たのだと思います。

とっても良く頑張りました本当におめでとう。
これからも磨きをかけて、素敵なピアニストになってね。

小さい子にとって、「コンクールを受ける」事は結果が全てでは決してなく、そこに向かって努力する、何かを成し遂げるために何かを犠牲にしなきゃいけない事を学ぶ、でも必ず、
「上達」と言うご褒美が待っている事を知る、良い機会だと私は思っています。

そして、コンクールだろうがどこだろうが、「ピアノを弾ける場が一回でも多い事が幸せ」。と感じられようになるだけでも、大きな意味があると思うのです。

しみじみ

リグット先生の公開レッスンを2日間連続で聴いて来ました。

長時間のレッスンの中で私の青春時代だったリグット先生とのレッスンを
思い出していました。

彼は生徒がレッスンを録音をするのが嫌いな先生だったけど、言葉の問題もあって、
レッスンを録音させてもらっていた時は、家に帰っては何回も聴きなおして一言も逃さないように、楽譜に書き留めていました。その楽譜も大切な宝物です。

録音できなかった時は、先生のお宅のそばのカフェですぐさま楽譜やメモ帳に書き込みをしてから帰宅しました。

「機械に頼るな、自分の心に録音しなさい、そのほうが強く残るから」と
おっしゃって、それから一言一言、生の体に刻み込むようにして憶えていました。

彼の弾き方を少しでも真似すると「俺の弾き方を真似するな、真似したって意味ない、
毎日違うアイディアが浮かぶんだ」とおっしゃいました。
これでなければいけない、という考え方がいかに狭い事であること、楽曲一つにしても、また「今日の演奏」という事だけでも、イマジネーションの無限の可能性がなければならないと言うこと学びました。
そんな青春時代をすごせて本当に幸せだったと、改めて思い返す機会になりました。

先生はお忙しいスケジュールを終了し、パリにお帰りになりました。

再会

パリ留学時代の恩師、ブルーノリグット先生が公開レッスンや、コンサートの為に来日していらっしゃるので、会いに行きました。私が帰国してからも何回か来日されていて、お会いするのは2年ぶりくらいですが、私がレッスン会場に入ったら、ビックリして喜んでくださいました。
リグット先生と

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久しぶりに彼のレッスンを目の当たりにして、何故か譜めくりまでお手伝いをして、
改めて先生の演奏、音楽解釈の魅力に感激しました。

留学中、パリの先生のお宅のレッスン室にあったカワイのグランドから、それまで聞いた事のない優しくて、音一粒一粒が語りかけて来るような、先生のチャーミングな音色を耳にし、

「いつかこんな音が出せますように。」と祈るような気持ちで毎日12時間以上練習し続けたら
どこかから彼に伝わって(おそらく、最初は音楽寮生活だったからだと思います・・。)
「お前は練習しすぎだ。」と怒られたことがありました。

「生徒の練習時間が少なくて怒ったことはあるけど、多くて注意したのは初めてだよ。」
と・・・。後はイマジネーションの世界だから。それを壊すほどの練習はしちゃいけないんだと
教わりました。

また、約束より早くレッスン室に到着してしまい、時間待ちのため、先生が練習しているのを外で聴いてたら、それがベートーヴェンの1番のソナタで、「この曲ってこんなに素敵な曲だったっけ??」
と、感激した事も覚えてます。(彼が練習していると道に何人か人だかりが出来るのも日常の出来事でした。)

要するに、それまで私が日本で聴いてきた音楽や、音色とは全然違う、
ファンタジー、ポエジーの世界でした。
パリで、精一杯吸収してきたつもりです。

先生の音色がますます魅力的になっていくのを聴いて、また
刺激を受けた一日でした。