リグット先生の公開レッスンを2日間連続で聴いて来ました。
長時間のレッスンの中で私の青春時代だったリグット先生とのレッスンを
思い出していました。
彼は生徒がレッスンを録音をするのが嫌いな先生だったけど、言葉の問題もあって、
レッスンを録音させてもらっていた時は、家に帰っては何回も聴きなおして一言も逃さないように、楽譜に書き留めていました。その楽譜も大切な宝物です。
録音できなかった時は、先生のお宅のそばのカフェですぐさま楽譜やメモ帳に書き込みをしてから帰宅しました。
「機械に頼るな、自分の心に録音しなさい、そのほうが強く残るから」と
おっしゃって、それから一言一言、生の体に刻み込むようにして憶えていました。
彼の弾き方を少しでも真似すると「俺の弾き方を真似するな、真似したって意味ない、
毎日違うアイディアが浮かぶんだ」とおっしゃいました。
これでなければいけない、という考え方がいかに狭い事であること、楽曲一つにしても、また「今日の演奏」という事だけでも、イマジネーションの無限の可能性がなければならないと言うこと学びました。
そんな青春時代をすごせて本当に幸せだったと、改めて思い返す機会になりました。
先生はお忙しいスケジュールを終了し、パリにお帰りになりました。